トランサミンは、抗プラスミン薬ってカテゴリーの薬です。 抗プラスミン薬は止血効果で知られているが、 このトランサミンは、 止血剤としてよりも口内炎や扁桃腺炎なんかの炎症や腫れのある疾患にによく使われています。 また、 最近では肝斑や蕁麻疹への効果も認められて、 皮膚科でもよく使用されるようになりました。 トランサミンの有効成分は、 トラネキサム酸で、 医療用のもので有名な商品がトランサミンです。 市販薬には、トランサミンという名前の商品はないものの、 トラネキサム酸を含有する商品はけっこうたくさんあります。 まず、 扁桃炎、咽喉頭炎に効果があるので、 風邪薬に含まれています。 有名どころだと、 ベンザブロックの黄色いやつに入ってますね。 喉が痛い風邪に効果的。 あと、 ペラックT 風邪薬とセットでオススメされることのある商品で、 風邪薬にトラネキサム酸がはいってなければ、 これを一緒にのんで、 喉の痛みへの効果を高めるわけです。 口内炎の薬にも含まれています。 お口のトラブルに トラフルなんてCMがやってましたが、 このトラフル錠の有効成分はトラネキサム酸です。 実は、ペラックTとトラフル錠はまったく同じものです。 販売元も同じです。 商品名を変えて、ターゲット層を変えただけです。 そして、 肝斑専用の薬 トランシーノも有効成分はトラネキサム酸です。 トラネキサム酸単体のものは販売されてないみたいだから、 用途に応じて選ぶといいでしょう。 喉の痛みなら、 トラネキサム酸単体のトランサミンよりもいろいろ入っているペラックTの方が効きそうな気がします。 肝斑に使う時もトラネキサム酸単体よりもLシステインとかビタミンCとか入ってるから効きそうな気がします。 トラネキサム酸の作用機序 プラスミンは血管内でフィブリンの分解により血流を維持し、組織では炎症を引き起こす起炎物質であるキニンなどの遊離を促進するなど、血管透過性の亢進、アレルギーや炎症性病変等に関与している。 トランサミンは、このプラスミンの働きを阻止することにより臨床的に抗出血・抗アレルギー・抗炎症効果を示す。 トランサミンインタビューフォームより抜粋.
次のこんばんは、CMには一切踊らされないケイタです。 僕のnoteを読んで頂いている方なら、何回か「トラネキサム酸」って成分が出てきたのを覚えていると思います。 今日はトラネキサム酸の上手な使い方の解説です。 おっと、「上手な使い方」って言っても僕らじゃないですよ。 重度外傷、分娩後出血、外科手術、抜歯、鼻出血、重度月経などに投与される。 遺伝性血管浮腫にも使用される。 とのwiki先生の解説がありますが、要は炎症を鎮めたり止血に使われる成分ですね。 ハミガキに配合される事もある身近な成分でもあります。 この成分、第一三共が得意なんですよ。 ちょっと見ていきましょう。 これはのどが痛い時に使う、腫れを鎮める薬です。 これも成分を見てみましょう。 実際錠剤を見ると分かりますが、錠剤も同じでパッケージが違うだけなんです。 ほえーそんなのアリかwwwって言われそうですが、薬の世界はこんなの多いんですよ。 Amazonだとトラフル錠が1錠10円、ペラックT錠が1錠30円くらいです。 パッケージ変えるだけでこんな価格差なんですね。 形が同じでもこの手続きを取らないと効能は変更できないんですね。 上の2つの薬だと、昔からあるのはペラック。 この処方だと口内炎にも使えるので、口内炎の効能で再度臨床試験を行い、承認を得る必要があります。 この費用が全部商品に乗ってくるんですね。 今回の例は後から出たトラフル錠の方が安いですが、これはペラックT錠が去年リニューアルしたばかりで値崩れしていないだけです。 小売店への納入価格はトラフルの方が高いはずです。 成分を見てみましょうか。 トラネキサム酸 …750mg L-システイン …240mg ビタミンC …300mg ビタミンB6 …6mg パントテン酸カルシウム …24mg よかった、違う…w とは言え、半分は同じです。 追加された成分もハイチオールCの主成分であるL-システインと軽いビタミンだけ。 これで第1類に格上げ ? となります。 なんで?ですよね。 これはトラネキサム酸の効能で、肝斑 シミの1種 への効能が新たに認められ、日本で初めて肝斑の効能を持つ市販薬として承認されたから第1類に分類されているんです。 しばらくしたら2類ではなく、3類に変更となるはずです。 ここらへんは承認のマジックですね。 高いから効く、1類だから効く…ではなく、成分をよく見ると実は安い薬で代用可能なのが薬の世界です。 コマーシャルに煽られると…? ではまた。
次のなんて書くと、 「国内製薬メーカーの利権ですね。 よくわかります」 という声が聞こえてきそうだが、利権かどうかは置いといて、そのような薬は事実ある。 ここでは、日本人ばかりが使っている薬を「ドメスティック(国内)な薬」、略して「ドメグスリ」と呼ばせてください。 ぼくの知っているドメグスリを紹介したい。 「ペラック」 「ベンザブロックS」に含まれるトラネキサム酸は・・・ 今回取り上げるのは、喉の痛みを取り除く「トラネキサム酸」。 市販薬では、痛の薬「ペラック」や、総合風邪薬「ベンザブロックS」などに使われている。 イギリスでは喉の痛みに使わない けっこう売れていると思う。 とくにペラックは、もうのどの痛みといえば、とりあえずこれだよね、みたいな。 ところが、ペラックの有効成分である「トラネキサム酸」は、ぼくが知る限り、イギリス・アメリカでは喉の痛みに用いない。 喉の痛みに使う薬は一つもでてこない。 その代わりに、月経出血などを緩和する止血剤としてこの薬を使っていることがわかる。 アメリカでも喉の痛みに使わない アメリカの状況も似ている。 ネットドラッグストア「ドラッグストア・ドット・コム」で検索すると、該当する製品はナシ。 以前、アメリカのドラッグストアの店員に「トラネキサム酸ある?」と聞いた時も「処方薬ですよ」と言われたので、たぶんアメリカでは市販していないのだろう。 世界中の論文が集まる(パブメドといいます)というサイトで検索しても、ほとんどが止血剤として用いた研究だ。 たしかに日本でも、トラネキサム酸は術後の止血剤として使われることが国から認められている。 ただ、のどの痛みにトラネキサム酸を使うことは、世界的には稀っぽい。 そういうことを検証した記事じゃないから。 体内の血が固まりやすくなるトラネキサム酸の副作用は有名だ。 イギリスでもトラネキサム酸を月経の薬として市販化するには議論があったようだ。 トラネキサム酸は日本発の医薬品 どうして、日本ではトラネキサム酸をのどの痛みに使っているのか。 ハッキリした理由はわからないけれど、この薬の開発の経緯が、いくらか影響していると思う。 日本人が作った薬だから日本でよく使われる。 その可能性はあるだろう。 よく効く薬なら、広く使われて当然であるが、はたしてトラネキサム酸は喉の痛みに効くのか。 一応、効くという研究はあった・・・ 「トラネキサム酸ってホントに効くのかな?」 去年、薬剤師の「るるーちゅ」さんと上で話したことがあった。 先日、文献を調べて自身のブログに書いてくれた。 ありがとうございます。 メーカーが公表している50年前の研究(古っ!)によると、医療用のトラネキサム酸を飲んだ人たちの有効率は64%、飲んでない人たちは30%()だったらしい。 この研究だけじゃあなんともいえないけど、一応「喉の痛み(急性)に効く」という結果ではある(ただ、市販薬は、この研究で使ったトラネキサム酸の半分の量しかないので、そのまま当てはめることはできない)。 喉が痛いなら麻酔をかければいいじゃない? ここで疑問。 じゃあ、トラネキサム酸を使わない外国人は、喉が痛い時には何をつかっているの? 先述のアメリカの「ドラッグストア・ドットコム」で調べると、のど飴がいくつかでてきた。 飴の中身は、「Benzocaine」という局所麻酔成分。 日本の市販薬にはない成分だ。 日本のトラネキサム酸が、喉の腫れを抑えて痛みを和らげるのに対して、アメリカでは麻酔をして痛みを和らげる方法をとっていることがわかる。 「痛いなら麻酔しとけば?」的なアメリカのやり方は一見乱暴だが、これはこれでアリかもしれない。 喉の痛みはほとんどが風邪であり、ほうっておけば治る。 投与量が多いと血管にができやすくなるリスクがあるトラネキサム酸をわざわざ使わずに、麻酔で痛みを抑えてもいい。 もし、日本でこののど飴が発売されたら、どうなるだろうか。 ペラックの売上は、ガタ落ちするだろうか。 ちょっと興味がある。 「当たり前」を疑ってみる こんなふうに、ぼくらが当たり前のように使っている有名市販薬も、ちょっと紐解くと決して「当たり前」ではないことが見えてくる。 今回の記事でいいたかったのは、そういうこと。 トラネキサム酸については、石原藤樹さんというお医者さんのブログ「石原藤樹のブログ」がわかりやすく総説している。 石原さんも、トラネキサム酸をのどの痛みに使うのは日本でのみ広がったやや特殊なものだとした上で、クスリそのものの価値は決して低くないことを次のように書いている。 「トラネキサム酸は安価で、 飲み薬でも注射薬としても使えます。 このブログでは「自分に合った市販薬を選びませんか?」をテーマに薬選びに役立つ情報を提供いたします。 また、複数のドラッグストアを見てきた経験から感じたことも書いています。 現在は社内の新規事業関連のへっぽこ責任者。 JCEJ「ジャーナリズム・イノベーション・アワード」11位、朝日新聞「未来メディアキャンプ」未来メディアキャンプ賞受賞。 当ブログに書かれた情報は基礎的なものばかりです。 現場の薬剤師・登録販売者は、このブログの3倍の情報量は持っているはずなので、ぜひ色々質問することをお勧めします。 また、記事の内容は個人的見解であり、専門家向けの情報もあるので扱いは自己責任でお願いします。 内容を信頼したことによって生じるいかなる損害についても責任をお引き受けいたしかねます。 なので、文脈を無視した誤解を与えるコピペはご遠慮ください。 ツイッターもやってます。 kuriedits.
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